Misato Stories
「美里」ものがたり
母のように私も。
明るく心深いまちの花屋に。
1965(昭和40)年10月、下町の商店街にある長屋で父・正俊は花のみせ「美里」を創業しました。店名の「美里」は、父がお客様の姓名判断鑑定士に依頼し、修業先だった親方の名前・美好から「美」の一字をいただき、美と相性の良い「里」を合わせて「美里」と命名されました。
そして商店長屋で生まれた私は、お客様やご近所様に子守りをしてもらっていたそうで、貧しいながらも助け合って生きる人々の優しさや思いやりの中で育ちました。
幼少期の遊び場といえば母・栄子の「いらっしゃいませ」、「ありがとうございました」の声が聞こえる店先で、お客様は底抜けに明るい母との世間話を楽しみ、そのついでに花を買ってくださっていたように思います。
私のルーツはこの温かな人情長屋にあるのだと思います。
人とのめぐり合わせやご縁に感謝して生きること、さらにいただいたご縁を大切に生かすことを、そこで暮らす人々や母の姿に学んだのだと思うのです。
ですから、私も母のような明るく心深いまちの花屋でありたい。
いつしかそれが私の目標になっています。